正直に書くと、この結果は逆だと予想していました。凶が出たら、こっそりもう一回引きたくなるのが人情ではないかと。
でも8,785人の答えは違いました。「おみくじで凶が出たら?」——「引き直したい」は18%にとどまり、82%が「それも運命」を選んでいます。8割以上が、目の前に出た悪い結果をそのまま受け取っていることになります。



引き直さないのは、信じているからではないかもしれない
「運命を受け入れる」と言うと、おみくじの結果を本気で信じている人が多いように聞こえます。でも実感としては、少し違う気がします。
おみくじは、初詣や旅先の神社で引く行事としての性格が強い遊びです。当たるかどうかより、「引く」という手順そのものが目的になっている。だとすると、引き直しは「結果が気に入らないからやり直す」というより、行事の作法を壊す行為に感じられます。せっかくの儀式が台無しになる、という感覚のほうが近い。
心理学では、いちど決まった結果や選んだ選択肢を、人は後から正当化しやすいことが知られています。凶を引いてしまった直後に「まあ、上がるしかないってことだし」と思えるのは、その働きが早くも動き始めている証拠かもしれません。受け入れているというより、受け入れられる形に解釈し直している。凶が最悪の結果ではなく「これから良くなる前触れ」に変換される、あの現象です。
ちなみに凶を結んで帰る行為も、この解釈を後押しします。悪い運を持ち帰らずに置いていく作法があるおかげで、引き直さなくても気持ちの整理がつく。よくできた仕組みだと思います。
引き直したい18%を、あきらめが悪いと呼ぶのは違う
少数派の18%も、なかなか味わい深い人たちです。この選択には「悪い結果を受け入れない」という強さがあります。
現実の問題として、引き直しに意味があるかと言えば、たぶんありません。おみくじの結果は完全な運なので、引き直しても次が良いとは限らない。それでも引き直したいのは、結果を自分の手で選び直せると思っているからです。この感覚は、日常では悪いものではありません。うまくいかなかった企画を出し直す人、断られた誘いをもう一度出す人。「今回の結果は最終結論ではない」と考えられる人は、粘りが効きます。
リカイドの別の2択と並べると、この構図がもう少し立体的になります。「世の中は?」という質問では、「なんとかなると思う」が51%で「甘くないと思う」49%と、ほぼ真っ二つ。世の中の見通しについてはこれだけ割れるのに、おみくじの結果は8割以上が受け入れる。現実は自分で動かすものだけど、運は運として置いておく——そんな線引きが見えてきます。


友達がどっちかは、正月に分かる
この質問、友達に出すと当てるのが意外と難しい問題です。ふだんの性格からは推理しにくい。おおらかそうな人が「絶対引き直す」だったり、負けず嫌いの人が「それも運命」だったりします。
もし答え合わせをしたいなら、次の初詣で一緒に引いてみるのが早いです。凶が出た瞬間の顔を見れば、答えは聞くまでもありません。

